苦情対応の基本手順と対応品質を向上するには?

業務の中でお客様から何らかの苦情や対応依頼を受けることがはあるでしょう。

一見マイナスなイメージを持たれがちな苦情ですが、サービスの品質を上げる役割があります。
お客様からの要望や改善点がそのまま反映されるため、企業の成長に繋がるヒントが多く含まれているのです。

本記事では、苦情への対応方法の基本手順と、品質を向上する方法をご紹介します。

苦情とは

まず、苦情とはそもそも何を指すのか見ていきます。

苦情とは、以下のように定義づけられています。

1.他から害や不利益などをこうむっていることに対する不平・不満。また、それを表した言葉。「―を言う」「―が殺到する」

2.苦しい事情。

引用元:「デジタル大辞泉」小学館

一般的に”苦情”という言葉は、1の意味で使っていることがほとんどでしょう。

例えば、「商品が手元に届いたが、イメージと違う」「担当者は無料と言っていたのに、実際は有料だった」「たらいまわしにされた」など、商品やサービスなどに対する、お客さまの不満や不平を指します。

苦情の対応手順

苦情は、以下の手順で対応するのが一般的です。

  1. 苦情の内容を理解する
  2. 原因と事実を確認する
  3. 苦情の解決策の提示をする
  4. お詫びや感謝を伝える

各項目を解説します。

1.苦情の内容を理解する

お客様が何に対して不平・不満を感じているのか、疑問を抱いているのかを聞き取ります。

その上で相手の心情を理解し共感することで、相手が抱いているネガティブな感情を収めます

相手が一通り話を終えるまでは、話を折らず、お客様の話をよく「聴く」ことがポイントです。
お客様が気の済むまで話をして頂いてから、相手の心情に沿ったお詫びの言葉を伝えることが大切です。

2.事実を確認する

相手の言い分を一通り聞いた上で、苦情の解決に向けて事実を確認します。

機械の故障トラブルの場合を例に挙げてみます。

  • いつ発生したのか?
  • どのような状況で発生したのか?
  • 相手はこちらにどうしてほしいのか?

お客様との対話の中でうまく質問しながら事実を確認し、記録していきます。

3.苦情の解決策の提示をする

お客様が抱えている問題の解決のための解決策や代替案を提示します。

企業によって、対応方針が決まっているはずです。
組織内で各苦情に応じてどのような対応をするのか、事前に情報共有をしておきましょう。

4.お詫びや感謝を伝える

解決策を提示した後には、再度改めてお詫びや感謝を伝えます。

誠意を見せ、信頼を回復することで「この会社はこんなにしっかり対応してくれるのか」と思われ、苦情が起きる以前よりも良い印象を頂けるよう努めることが大切です。

苦情へ適切に対応することは、お客様が企業から離れてしまう可能性が低下させることに繋がります。

苦情への対応品質を向上するには

この一連のクレーム対応の手順を社内で共有したい場合、研修を行ったり実務の中で覚えていく、という手法がとられるはずです。

しかし研修を受け対応方法を教えてもらったのにも関わらず、実際にクレーム対応の場面になると、うまく対応できなかったり、お客様の反感を買ってしまったりすることがあります。

そこで苦情への対応は、フローチャートの活用をおすすめします。

フローチャートとは、事の手順やプロセスを、長方形・円形・ひし形などの図形と矢印を用いて図解したチャートのことを指します。

フローチャートは、条件分岐の表現ができるため、対応が多岐に渡る苦情の対応手順の可視化に向いています。
クレーム対応時でも「○○の場合は△△という対応する」「××のクレームの時は□□という対応をする」ように対応方針を決め、その手順をフローチャートで表現することで、ミスを防ぐことができます。

また、紙で苦情対応マニュアルを管理している企業の方もいると思います。
しかし、紙で管理していると誤って紛失してしまったり、どこに何を書いているか分からなくなることもあるはずです。

紙ではなく、クラウドシステムによるフローチャートの作成がおすすめです。

クラウドシステムで管理することで、フローに変更があった場合でも改訂が容易にできます。
さらに、クラウドシステムはテンプレートが用意されていることが多いです。
テンプレートに従ってテキストや図を挿入するだけでフローチャートの作成ができるため、作成にかかる工数を大幅に削減することが可能です。

まとめ

本記事では、苦情対応の手順と対応品質を向上する方法を紹介しました。

苦情は、サービスや商品に対する改善、課題の解決に繋がる貴重な意見になり得ます。
だからこそ、苦情への適切な対応が重要です。

苦情対応をする際は、本記事を参考にしてみてください。