生産管理とは、工場内の製品の作成に対する管理業務を指します。
こういった生産管理の現場では【ベテランしか煩雑な仕事を回せない】という意見を耳にします。
いわゆる「業務の属人化」が生じている状態です。
高度な知識と経験をもった人材がいることは、会社の強みにもなり得るため一見問題がないように見えます。
しかしその人が突発的に現場を退いた場合、様々問題が生じてしまいます。
今回は生産管理の現場で属人化によって生じる問題やその原因、その解決方法を解説します。
生産管理業務の属人化で生じる問題
業務の属人化でどのような問題が生じるのか、具体例を取り上げて見ていきます。
例1：納期の遅延や仕事の停滞
代表的な例は納期の遅延や仕事の停滞です。
ベテランの従業員にしかできない業務があり、その人が退職してしまったり急に入院してしまったりした場合、一気に業務効率が低下してしまいます。
業務の属人化はノウハウが特定の人にしか蓄積されていない状態なので、非常事態が起きた場合、引継ぎがうまくできないことが多いです。
結果的に全体的なスケジュールに遅れが出てきてしまい、納期に遅延が生じます。
また、その業務を他の従業員がカバーする時に業務負荷がある人に集中してしまい、パフォーマンスがさらに低下してしまうというリスクもあるでしょう。
例2：知識やノウハウが失われてしまう
ベテランの従業員が退職してしまったら、そこまで蓄積されていた貴重な知識やノウハウが失われてしまい、会社全体にそのナレッジが行き渡らない可能性があります。
他の従業員に継承がしづらいため、会社の強みをそのまま失ってしまいます。
上記で挙げた2つ以外にも、その他、属人化により業務品質が不安定になりやすいことや、適正な評価が難しくなることも挙げられます。
属人化を防ぐポイント
こうした業務の属人化は、一般的に解消すべきものとされています。
ではどのように業務の属人化を防ぐか、ポイントを見ていきます。
業務の流れを可視化する
業務の流れ（フロー）を可視化することで、どこにどのような問題があるのかを把握できます。
- 業務の流れをもっとシンプルにできないか
- この作業は不要だ
- 確認作業をダブルチェック体制にした方がミスが防げるのではないだろうか
上記のような分析が可能になり、改善に繋げることができます。
チェックリストやマニュアルの作成
業務の流れを可視化した上で、チェックリストやマニュアルを作成すると、仕事の進め方が統一化されます。
チェックリストやマニュアルづくりのポイントは、それぞれのプロセスでおこなう作業はできるだけ細やかに言語化することです。
業務内容を何も理解していない人でも理解できるよう、業務の手順やノウハウ、注意点など、できるだけ詳細かつ具体的に記載することが大切です。
また、初心者や業界に詳しくない人でも分かるよう平易な言葉を使用することもポイントです。
特に新入社員が入ってきた場合を想像してみてください。
作成したチェックリストやマニュアルを基に作業を進めようと思っても、言葉が分からないとそこで手が止まってしまいます。
近くにいる従業員に聞くという作業が重なれば、作業が滞ってしまいます。
作成したチェックリストやマニュアルのブラッシュアップ
実際に運用するなかで問題点や改善点があるはずです。
継続的に評価を行い、チェックリストやマニュアルのブラッシュアップを心がけましょう。
更に、マニュアルやチェックリストに変更があったら、従業員に周知することが大切です。
マニュアルやチェックリストは作成して終わりではありません。
業務品質の安定化と業務効率化の為には、変更点を現場の従業員まで落とし込む必要があります。
変更点を会社全体に行き渡らせられるよう、工夫する必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、生産管理の現場で生じる業務の属人化と解消するポイントをご紹介しました。
業務の属人化解消は、会社と従業員双方にメリットをもたらします。
今回ご紹介した情報を参考に、自社の業務が属人化していないか、解決方法はないかまずはそこから考えてみてはいかがでしょうか。